妻から飾り棚とか壁面収納が欲しいと言われたけど、どうしよう。
業者に頼む程でもないし、何から始めるのがよいか。
何か参考になる方法があれば、マネできるんだけどな…。
こんな悩みを解決します。
●棚板取付までの道
- 組立準備
- 下地探し
- ビス打ち(組立)
●記事の信頼性
丸の内ガーデンタワー等多くの著名ビル建設の施工管理を9年間従事し、社員数1万人超え企業で社内表彰された私が紹介します。
●読者の皆さんへの前置きメッセージ
シリーズ記事として、棚板設置の計画~取付を取り扱っています。「壁面収納DIYをするためには何をすれば良いのだろう…。」という悩みを持つ方に向けた記事となります。
今回は”取付”がテーマで、最後まで読んでいただくと「棚板を壁に取付する方法」についてイメージできるようになります。
失敗したくない気持ちはわかります。でもやらなければ何も始まりません。
この記事で棚板づくりって意外とカンタンと思って頂ければ嬉しいです。
もしわからないことがあれば、是非コメントしてください!
組立準備
木板とブラケットを固定するために下穴の加工を行います。
下穴加工しないまま木板にビスを打つと高確率で木板が割れてしまいます。以下写真のように木材が割れてしまい十分な強度を保つことができませんし、見栄えも悪いです…。
そのままビスを打って固定する方が楽かと思いますが、必ず下穴は開けて下さい!
施工管理をしていても下準備をしない短絡行動で様々な問題が生まれます。「段取り8分、仕事2分」という言葉もあるくらいので、面倒だから少しくらい大丈夫、といったリスクテイキングは絶対してはいけません。品質は愚か、安全性の低下にも繋がります。十分注意してください。
また、取付してから組立しようとすると難易度が上がってしまうので、この組立準備段階で、完成までにどのような作業をすればいいかイメージしましょう。「段取り8分、仕事2分」です!
前置きが長くなりましたが、組立準備について、述べていきます。
木板の上にブラケットを置きましょう。
画像のように木板の側面とブラケットの面をピッタリ合わせたら、ビスを打つところに鉛筆等で印を付けましょう。
この印がズレてしまうと壁に設置した時、壁と木材の間に隙間が生まれてしまうので、気持ちブラケットから木材がはみ出る程度に調整しましょう。
左右対象になるように反対側も同じ手順で印を付けていきます。ブラケットの位置が左右対称でないと不格好な仕上がりになってしまいますので、左右対称にすることをオススメします。
左右対称にするためには、以下のようにすれば簡単です。
数値は実際DIYする時の値に置き換えてください。
①木材の左端から印までの長さを測定
②①の長さを木材の右端で測定し印を付ける。
③②で付けた位置にブラケットを置き、穴位置が合っているか確認する。
④合っていたら印を濃くする。合わなかったら②③を合うまで実施する。
以上、木材とブラケットを取付する下準備は完了です。
下地探し
棚板設置において非常に重要な内容となります。
左右どちらかのブラケットは、必ず下地に取り付けるようにしましょう。
左右ともに石膏ボードに取付するとどうしても強度に不安が残ってしまいます。片側だけでも下地に固定できれば、ぶら下がったりしない限り棚板が落下することはまずなくなります。
石膏ボードだけに取付した場合の耐荷重はおよそ10kgと言われているのに対して、適正なビスを使用して下地に固定するだけで100kgは間違いなく耐えます。
けんすい棒を壁下地に付け、70kg代の人が懸垂しても全く問題ないという事例もあります。
下地に付けた時、石膏ボードのみの場合で10倍の強度が手に入りますので安心さが違いますので、必ず片側だけでも下地に固定するようにしましょう。
下地の見つけ方①
1つ目は、「壁をノックする」方法です。
音が響いたら下地が無く、音が響かなかったら下地があると覚えておきましょう。
コンクリートをノックしてみてると音は響かないですよね?そんなイメージで大丈夫です。
私はよく、この説明をするときは、太鼓の達人の「ドン」、「カッ」で表現しています。
- 「ドン」:下地無し(音が響いているので)
- 「カッ」:下地無し(音が響かないので)
目星がついたら、画鋲を刺してみましょう。刺さったら下地が無く、刺さらなかったら下地があります。以下の写真は下地探しですが、針が奥まで入っていない様子となっております。
下地の位置が分かったらマスキングテープ等で印を付けて完了です。下の写真のように、中央部分と下地の端が分かるようにした方が安心です。
これで完成!
下地の見つけ方②
2つ目は、「下地センサーを使用する」方法です。
下地を探す専用の工具が売っていますのでそれらを使用します。色々な種類の工具がありますが基本原理が同じなので、使い方もあまり変わりありません。
使用方法を紹介していきます。
①壁にセンサーを当てる。
②壁にセンサーを当てた状態で側面のスキャンボタンを押す。
③壁からセンサーをスライドさせる(必ず壁から離さないこと!)
④縦線が見えた位置にマスキングテープを付ける。
⑤下地中央でセンサーの目盛が上部まで振れ、音が鳴るので、マスキングテープ等で印をつける。
以上で下地探し完了です。
専用工具を使用すると作業効率が向上しますので、導入する価値は間違いなくあります。
精度については、下地の場所がなんとなくわかったら画鋲などの針を刺すことが個人的には最も優れていると思います。
なので、ご紹介しました①の針を刺す方法と②の方法を組み合わせるとより効率的かつ精度が高い下地探しができます。
ビス打ち (組立)
いよいよ組立作業となります。この作業が終わったら棚板設置完了となります。
完成までの道しるべを以下に記載します。
- 下穴を開ける
- 木材をブラケットに取付
- ブラケットを壁に取付
- 最終確認
木材をブラケットに取付する工程と、ブラケットを壁に取付する工程は人によって順番が異なります。順番が異なる大きな理由は、棚板の長さです。
棚板が長くて大きい時は、先にブラケットを壁に固定することから始めましょう。ブラケットを壁に固定することで、ブラケット上に木材を置くことができるので、重たいものを持ちながら作業することがなくなるためです。
反対に小さい棚板の場合、ブラケットと木材を取付してから壁に固定する方が簡単です。片側のブラケットを固定した状態で、棚板全体の水平を見ることが容易なため、私はこの手順で実施するようにしています。
私の感覚ですが、棚板の長さが1mを上回るかで大小を判断しましょう。本記事では、大きな棚板ではない想定ですので、1mを下回る時の手順を紹介します。
- 棚板が1mを上回るとき:ブラケットを壁固定 ➡ 棚板を設置
- 棚板が1mを下回るとき:ブラケットを棚板へ固定 ➡ 壁へ設置
下穴を開ける
下地探し時に付けた印にブラケットを当ててブラケットのビスを打つところに印をつけましょう。
印を付けたところを組立準備の時と同様に下穴を開けます。この時の下穴は、ブラケットを壁へ固定する時に発生する小さいズレを予防する役割を持っています。
下穴の深さは2cm程度でいいです。ドリルの先端から2cmの位置にマスキングテープを巻いておけばどのくらいの深さまで穴を開ければよいか視覚的にわかります。
写真の通り、ドリルの太さは、2.5mmを使用すれば、粗方のことは問題ありません。
同様に木板側にも下穴を開けましょう。木板の厚さの半分の深さ位で大丈夫です。厚さ18mmであれば10mm程の深さです。こちらもドリルに予め印を付けることを忘れずに。
以上で壁と材料の下穴準備は終了です。
木材をブラケットに取付
●ビスの種類
ブラケットの穴の種類で決めます。
上図のようにブラケットのビス穴がまっすぐの場合は鍋ねじを、ザグリ加工(厚みに対して斜め方向に加工)されている穴の場合は、皿ねじを使用します。
これは買ったブラケットを見て判断しましょう。
●ビスの長さ
鍋ねじの場合、使用するビスの長さは木板とほぼ同じくらい~少し短いのモノを選びましょう。ブラケット分の厚みがあるので木材を貫通して、ビスがはみ出てくることはないです。
皿ねじの場合、木板の厚みの8割程の長さを目指しましょう。皿ねじは頭部分を含めた長さが記載されていることが多いため、木板の厚みと同じでは、先端が飛び出してしまう恐れがあるからです。
●ビスの太さ
ほとんどのブラケットにはビスが付属されていますが、大体のブラケットは4mm前後の太さを使用している印象です。
打つビスを決めたら、木板の下穴とブラケットの穴を合わせた状態で、ビスを下穴に挿入し、ドライバーで固定します。ブラケットとドライバーが少し干渉すると思いますが、押しながら固定すれば問題ありません。
ビスを押しながら回さないと以下写真のように、ドライバーをはめる(ネジ穴)が削れて回せなくなってしまいます。よく「ビスをなめる」と表現される現象です。修復する方法はありますが、まずはドライバーしっかり押しながら回すように心がけてください。
固定が終わったら壁に接触する面のブラケットと木板が揃っているか確認しましょう。ぴったり揃えばキレイに仕上がりますが1〜2mm程度のズレは許容してもいいと思います。下穴を開けているとここのズレが小さくなります。
ブラケットを壁に取付
●ビスの準備
ブラケットを購入した時に付属のビスが付いていますが、壁側に付属ビスを使用すると結構不安になります。すごく短くて細いからです。
壁に取付する側のビスは以下であれば問題ありません。
- ビスの長さ:28mm以上
- ビスの太さ:4mm以上
●ビスの長さが長い理由
石膏ボードの厚みは大体の家が12.5mmです。言い換えると下地までの距離が12.5mmとなります。下地の厚みが30mmのことが多く、その半分くらいまではビスを効かせた方が良いです。
上記文章から適正なビスの長さは「27.5mm」と導くことができますので、キリのいい数字を取って28mmとしました。もちろん、ブラケットの厚みなどありますが、そこまで神経質になる必要はありません。
ビスの選定もできたところで、木材を取付したブラケットを下地の下穴位置に当てて固定します。
この時、少しブラケットが回転する位の余裕を持たせるくらいまで固定することがポイントです。ガチガチに固定すると後に水平調整ができなくなってしまうので注意しましょう。
上の写真において、壁に面しているブラケット右側のいびつな形状の穴がありますが、これをダルマ穴と言います。
ビスを壁に取付した後、ブラケットをダルマ穴下部から通して引っ掛けることができる便利な穴です。(今回私が持ち合わせていたビスの頭が大きすぎず活用することができませんでした…。)
1点を軽く固定できたら木板に水平器をおいて空気が真ん中になっていることを確認してもう一方の穴にビスを打ちましょう。
水平になっていることを確認して、2点をしっかり固定します。ドライバーがある程度回らなくなったらOKです。電動工具の場合は、バチバチっと音がなったら固定できた合図です。
下地側の固定が終わったら下地がない側にビスを打っていきます。移設予定が無ければボードアンカーですが今回は40mm程度ビスを打っていきます。
石膏ボードにビスは固定できません。ビスをボードに刺してドライバーを優しく回してあげます。徐々にビスがめり込む程度にビスを押しながらドライバーを回していきます。
ビスの頭が壁についたらドライバーで回すのをやめましょう。ビス頭が壁についた状態で、継続してビスを回すと、ボードの穴が大きくなってしまう恐れがありますので注意してください。
ボード側にも2点ビスを打ち終わったら完成です。
最後にもう一度水平器で水平か確認しましょう。
まとめ
今回は棚板の取付について紹介しました。
本記事を見ていただけましたら棚板の取付方法は理解頂けたと思います。
取付までの流れを把握するだけでも作業難易度は大きく変わりますので、棚板設置する時につまづいた場合、本記事を見てください。繰り返して読んでいただくと理解も深まりますよ!
色々と話してきましたが、木板取付における重要ポイントは以下となります。
- 取付する前に組立の準備をして完成までの道筋をイメージ。
- ブラケットの片側は、下地に固定。
- ビスを打つ前に必ず下穴を開けること。
- 仮固定して水平確認。
- 石膏ボードへのビス打ちは優しく・ゆっくり・締めすぎない。
多くのポイントがありますが、これらのポイントを完成までの中間地点だと思って、順番に作業してください。
基本的に本記事の順番で作業すれば大きな失敗することはありません。迷った時は手順を見返して何をやるべきか再確認してから作業を再開しましょう。
誰でも棚板設置の計画〜取付ができるようにという思いで、この記事を書いてきました。もしかしたらまだまだ分かりにくい箇所が隠れているかもしません。
私も読み直して、より良い記事を書いていくつもりですが、みなさんの声無しでは、本当に分かりやすいかどうかはわかりません。
「分かりやすかった!」、「わからない内容もあった…。」等のコメントがあれば教えていただけると嬉しいです。
皆さんに楽しいDIYライフがあらんことを。
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